
「賃貸物件では新築はやめた方がいい」という意見も一部にあるようです。
一般的に新築の賃貸物件は人気が高いのですが、一方で募集開始からすぐに決まってしまうため借りにくいとか、家賃が割高になっているなどのデメリットは存在します。
だからといって「新築はやめた方がいい」という意見は少し極端ですが「新築にこだわり過ぎない方がいい」という考え方には一定の妥当性があります。
なぜ、賃貸の新築はやめた方がいい、という逆説的な意見が存在するのでしょうか?
この記事では、「賃貸の新築はやめた方がいい」と言われる理由と、反対に新築物件を選ぶメリットについても、物件を探すポイントを含めて解説します。
目次
賃貸の新築はやめた方がいいと言われる理由

最初に賃貸の新築はやめた方がいいと言われる理由について解説します。
新築だからといって、立地が良いとは限らない
新築物件は、必ずしも立地が良いとは限らない点が挙げられます。
住宅に住み始めると、建物の新しさよりも、立地の良さの方が暮らしには重要であることに気付きます。
建物の築年数に対する不満は徐々に薄れていきますが、立地に対する不満は徐々に溜まっていくのです。
新築にこだわり過ぎて不便な立地の物件を選んでしまうよりも、築浅物件で立地の良い物件を選んだ方が満足感は得やすいと言えます。
そのため、まずは新築であることよりも立地を優先して物件を探すことをおすすめします。
新築は家賃が割高となっている
賃貸の新築はやめた方がいいと言われる理由として、家賃が割高となっているという点が挙げられます。
賃貸住宅は、新築時の家賃が最も高く設定されていることが一般的です。家賃は築年数が古くなると、徐々に下がっていきます。
そのため、わざわざ高い家賃の新築物件を借りるくらいであれば、家賃の安い中古物件を借りた方がいいという考え方は一理あります。
しかし一方で、賃貸物件は築年数が経過しても、家賃が思ったよりも下がらないということがよくあります。
例えば、築10年以内の物件であれば、新築当初の家賃を保っている物件は多いです。立地の良い物件では、築20年を超えても家賃がほとんど下がらない物件もあります。
家賃の値下がりは、物件の空室状況によって決まります。立地の良い物件は、ほとんど空室が発生しないため、わざわざ家賃を下げる必要がないのです。
そのため、家賃の安い物件を探そうとすると、築年数がかなり古い物件を選ばなければならないことが多いです。
新築は内見ができない場合が多い
賃貸の新築はやめた方がいいと言われる理由として、内見ができない場合が多い点も挙げられます。
新築の賃貸物件は、工事中から入居者を募集することが多いです。
工事中の状態を見ることはできますが、分譲マンションのように別の場所でモデルルームを見学するといったことはなく、完成状態を一度も見ることなく、契約するか否かを決めなければなりません。
例えば、5階部分を借りたいのだが、最も重視していた眺望を確認することができない、といったことがあります。
実際に確認できない部分は、不動産会社に知りたい内容を質問し、十分に説明を受けることが適切です。
新築物件は竣工した後でないと入居ができないため、引っ越し時期を調整しにくい
引越し時期を調整しにくい点も、新築はやめた方がいいと言われる理由のひとつです。
新築物件は竣工したあとでないと入居できないため、入居時期が限定されています。
特に、現在入居している賃貸物件の退去時期が確定している場合は、引越し時期を調整しにくいです。
例えば、退去期限が3月15日で、住み替える新築物件の入居可能時期が3月20日となっている場合、空白の5日間は仮住まいを確保しなければならなくなります。
荷物がある場合には、荷物を預かってくれる引越し会社を探すか、もしくはトランクルームを利用して一時的に荷物を預けておくなどの対応が必要になります。
新築物件は人気なので、じっくりと検討しにくい
新築物件は、すぐに決まってしまうため、じっくりと検討しにくいという点が挙げられます。
申し込み者が複数人おり、回答を数日保留してしまうと、先に他の人に借りられてしまうことがよくあります。
また、新築物件は3月に竣工する物件が多いです。3月に竣工する物件は、1月にはすべて決まってしまうこともあります。
例えば、大学1年生が新築物件を借りようとすると、受験シーズンである1~2月に物件の申し込みが必要となることも多いです。
テスト期間中に物件探しを行わなければならないため、本人がじっくり検討する余裕がありません。
よく分からないまま物件を決めてしまう人もいるため、新築物件はやめた方がいいという意見もあるのです。
いいと言われる理由 》
- ・新築だからといって、立地が良いとは限らない
- ・新築は家賃が割高となっている
- ・新築は内見ができない場合が多い
- ・新築物件は竣工したあとでないと入居ができないため、
引越し時期を調整しにくい - ・新築物件は人気なので、じっくりと検討しにくい
新築物件を選ぶメリット
ここまで、新築物件はやめたほうがいい、と言われる理由についてご説明してきましたが、もちろん、新築物件には新築でしか得られないメリットがたくさんあります。
ここでは、新築物件を選ぶメリットについて解説します。
誰も住んでない、真新しい部屋に住める
新築物件のメリットは、何といっても、誰も住んだことのない、真新しいお部屋に住めるという点です。未使用のお部屋での新生活は、新築物件ならではの満足感を味わえます。
設備が最新である
新築物件は通常の場合、最新の設備が装備されています。
備え付けの設備も近年のライフスタイルを反映したものが多く、例えば共用部に宅配ボックスが併設されている物件も増えています。
リモートワークの普及に伴い、高速インターネットを完備した物件も多いです。
単純に機能が新しいだけではなく、近年のニーズに合致した設備が備わっており、暮らしやすい物件が多いのも新築物件のメリットです。
複数ある部屋から好きな部屋を選べる
新築物件は、一棟全体を一度に募集することから、複数あるお部屋の中から好きな部屋を選べるというメリットがあります。
お部屋は早い者勝ちで決まるので、必ずしもではありませんが、角部屋や最上階等、自分が住みたい部屋を選ぶことができます。
- ・誰も住んでない、真新しい部屋に住める
- ・設備が最新である
- ・複数ある部屋から好きな部屋を選べる
新築物件を探すポイント
最後に、新築物件を探すポイントをご紹介します。
築浅物件も候補に入れる
賃貸物件を探す際は、新築物件だけに絞るのではなく、他の築浅物件も候補に入れながら選ぶことをおすすめします。
新築物件は物件数が少ないことから、新築にこだわり過ぎると、少ない選択肢の中から物件を決めなければなりません。
築5年以内の物件であれば、物件の中も十分にきれいですし、設備も新しいです。築浅物件も候補に入れながら検討すると、より条件の良い物件が見つかる可能性が高くなります。
家賃相場を調べておく
新築物件は家賃が割高になる傾向があるため、事前に家賃相場を調べておくことが望ましいです。
相場を調べておけば、家賃がどれくらい割高なのかを判断をすることができます。
相場は、不動産ポータルサイト(物件の広告サイト)で類似の物件の募集賃料を確認することで把握できます。
同じ最寄り駅の物件で、駅からの距離と部屋の面積が同等のものとを比較することがポイントです。
早めに情報収集を行う
新築物件を借りるのであれば、早めに情報収集を行うことがポイントです。新築物件は工事中から入居者を募集することが一般的となっています。
貸主は、竣工直後から満室経営を行うことを目指していますので、竣工後にのんびりと募集をするケースは少ないのです。
新築は募集が開始されるとすぐに入居者が決まってしまう物件もあることから、情報収集は早いに越したことはありません。
早く探すためには、事前に希望エリアの不動産会社に新築物件が建つ予定の情報を得ておくことが望ましいと言えます。
- ・築浅物件も候補に入れる
- ・家賃相場を調べておく
- ・早めに情報収集を行う
まとめ

以上、「新築の賃貸はやめた方がいい」をテーマに解説してきました。
賃貸の新築はやめた方がいいと言われる理由としては、「立地が良いとは限らない」や「家賃が割高となっている」、「内見ができない場合も多い」等があります。
一方で、新築物件は「きれいで快適である」や「設備が最新である」等がメリットです。
新築物件を探すポイントとしては、「家賃相場を調べておく」や「早めに情報収集を行う」が挙げられます。
新築の賃貸物件を検討する際の参考にしていただけると幸いです。