公開日:2024年2月22日

土地活用の敷地分析と建築規模の考え方 - ホームメイト

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土地活用の敷地分析と建築規模の考え方

土地活用を行う場合、敷地分析を行って、土地に対して適切な建物の建築規模を確認することが大切です。敷地条件によっては建物の規模をやや小さめに抑えておくこともひとつの判断となります。大きな建物を建ててしまい賃貸面積を増やし過ぎることで、かえって借主が決まりにくくなり、賃貸経営が難しくなってしまうケースもあります。
この記事では「敷地分析と建築規模」について解説します。
土地活用では建築規模をどのように考えて決定していけば良いかを解説します。

建築可能な規模と適切な規模の違い

建物の規模には、「①建築可能な規模」と「②適切な規模」の2種類が存在します。
「①建築可能な規模」とは、法令で定められた範囲内で目一杯の広さで建てた建築規模のことで、「②適切な規模」とは、賃貸需要を捉えきれる範囲内で建てた建築規模のことを指します。
法令で定められた範囲内で最大規模の建物を建てれば、その土地で生み出せる賃貸面積を最大化することができるため、建築規模は法令で定められた範囲内で目一杯の広さで建てることが望ましいというのが、土地活用の基本的な考え方です。
なお、ここで言う賃貸面積とは、実際に借主に貸す部分の床面積のことであり、収益を生むスペースでもあります。
建物には共用部もありますが、共用部は賃貸面積ではないため、共用部をいくら増やしても収益は上がりません。
収益を上げるためには、賃貸面積を最大化することがセオリーです。
しかしながら、敷地や用途によってはそのセオリーが適切に機能しないケースもあり、条件によっては、賃貸面積を作り過ぎることが逆効果となってしまうこともあるのです。

建築可能な規模と適切な規模の違い

建築可能な最大限の床面積を建てずに土地活用を行っている典型的なケースとしては、郊外のコンビニエンスストアがあります。郊外のコンビニは、400坪以上あるような広い敷地に90坪程度の平屋建ての建物がポツンと建っています。
本来であればもっと大きな建物を建てられるはずですが、目一杯には建てていません。
理由としては、郊外ではコンビニでの購買需要そのものが少ないことから、最大限に大きい建物を建ててしまうと販売可能な商品の売り場面積で埋めきれないからです。
また、郊外のコンビニは、十分に広い敷地に小さな建物を建てることで、逆にコンビニの購買需要を生み出しています。郊外のコンビニでは、トラック運転手の利用も多いため、大型トラックがゆったりと駐車して休憩や食事ができるスペースが確保できる土地はコンビニの売上が上がりやすくなります。そのため、あえて床面積を最大化せず、建築規模を小さくすることでコンビニの土地活用が可能となっているのです。

建築可能な規模の決まり方

建築可能な建築規模は、法令の制限によって決まり、最も大きな影響を与える制限は、容積率です。容積率とは、敷地面積に対する建物の延床面積の割合を指し、容積率が大きく指定されている土地ほど、建築規模は大きくできます。
ただし、建築規模を決定する制限は容積率以外にも存在します。
例えば、前面道路の幅員や斜線制限、日影規制等が建物規模に影響を与える制限です。
容積率には、前面道路幅が狭いと容積率が小さくなるという制限も設けられており、必ずしも土地に指定された容積率を目一杯消化できるわけではありません。
法令上、どれくらいの規模の建物が建てられるかを知るには、設計者に図面を描いてもらうことが必要です。対象の敷地で、法令上最大限の建築規模がどれくらいになるかを設計で確認することを「ボリュームチェック」と呼び、土地活用では、最初に設計者がボリュームチェックを行うことが通常です。

賃貸需要と階数の関係

建築規模を大きくすると、建物の階数も高くなることが一般的です。階数と賃貸需要は密接な関係があるため、適切な規模の建物を建てるには賃貸需要と階数の関係も知っておくことが望ましいと言えます。
土地活用の中で、特に階数が賃貸需要に影響を与える用途は「貸店舗」です。貸店舗は1階に対しては強い賃貸需要がありますが、2階以上や地下階になると急激に賃貸需要が落ちるという特性があります。
貸店舗は、たとえ駅前の土地であっても、3階以上になると全く賃貸需要がないケースも多いです。2階の場合でも1階より相当に賃料を下げないとテナントが決まらないといったこともよくあります。
そのため、貸店舗の土地活用を行う場合には、建築規模を最大化せず、容積率を余らせた状態で建物を建てることも多いのです。

適切な規模を特に意識したい敷地の特徴

土地のなかには、容積率が余りやすい、または余らせて建てた方が良い土地も存在します。
この章では、適切な規模を特に意識したい敷地について解説します。

郊外の広い土地

郊外の広い土地

郊外は元々賃貸需要が弱いため、広い土地で最大限の床面積の建物を建ててしまうと賃貸面積が余り過ぎてしまう可能性があります。
郊外は駐車場ニーズも多いことから、建物規模を小さくし広い駐車場を確保した方が入居者様は決まりやすくなることも多いです。

不整形な土地

郊外の広い土地

不整形な土地も、容積率が余りやすい土地です。
まず、不整形な土地は建物も不整形になりやすいという特徴があります。貸室形状が不整形な物件は、入居者様が決まりにくくなるため、貸室が不整形となるような建物の建築は避けることが原則です。そのため、不整形な土地に整形な建物を建てようとすると、容積率が余ってしまうことがよくあります。長期的な観点からすると、容積率を余らせてでも整形な貸室を建てた方が適切なことも多いです。

狭くて容積率の高い土地

郊外の広い土地

狭くて容積率の高い土地も、容積率が余りやすい土地になります。狭い土地に高層建築物を建てようとすると、エレベーター部分の面積が貸室に悪影響を与えてしまうことが多いです。エレベーターがない方がかえって貸しやすい建物になることもあり、そのようなケースではエレベーターを付けずに建築規模を低層階で留めるといった判断をすることもあります。

店舗を誘致する土地

郊外の広い土地

店舗は3階以上になると極端に賃貸需要が弱くなるため、高層階の建物としないことも多いです。
例えば、郊外の大型ショッピングセンター等は、2階建てで留めているケースをよく見かけます。
3階以上の建物としないのは、賃貸需要の弱さを踏まえての判断となっています。

土地活用は、適切な土地活用コンサルティングで
お応えする東建コーポレーションにご相談ください

以上、敷地分析と建築規模について解説してきました。
土地活用では、敷地条件や用途によっては容積率を余らせる形で建てた方が賃貸経営は上手くいく場合があります。
大き過ぎる建物を建てるとかえってリスクを拡大することがあるということも、知っておくことが望ましいと言えます。
東建コーポレーションでは、創業より居住系賃貸事業から、商業系貸店舗事業までを生業とし、様々な経験値を蓄積してきました。
そのノウハウにより、お客様のご要望に適切な土地活用コンサルティングをご提供します。土地活用をお考えの際は、東建コーポレーションにご相談ください。

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