
土地活用を成功させるためには、土地所有者様ご自身も土地活用に関する一定の知識を理解しておいた方が有利な場合があります。例えば、土地活用プランニングの視点や考え方を知ることで、提案を受ける場合でも、より理解が深まります。
土地活用プランニングは、土地活用についてどのような視点で作成され、土地所有者様に提案されるのでしょうか。
この記事では土地所有者様向けに「土地活用プランニングの流れ」について解説します。
目次
土地活用の主な種類
土地活用というと、アパート経営を連想する人が多いのではないでしょうか。確かにアパート経営は土地活用の中でも代表的な方法ではありますが、土地活用はアパート経営だけではありません。
土地活用には様々な方法が存在します。
一般的に土地活用として考えられる選択肢には、住居系や事務所系、店舗系、カルチャー・スポーツ・宿泊系、介護・福祉系、流通系、暫定利用系があります。
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土地活用の カテゴリ |
土地活用の種類 |
---|---|
住居系 | アパート、賃貸マンション、タウンハウス、 賃貸併用住宅、シェアハウス、コンセプト型賃貸住宅 |
事務所系 | 一般ビル、複合ビル、インテリジェントビル、 SOHOオフィス、貸事務所 |
店舗系 | 小型スーパー、ショッピングセンター、 コンビニエンスストア、飲食店・居酒屋、 ブランド専門店、郊外レストラン |
カルチャー ・スポーツ ・宿泊系 |
ビジネスホテル、スポーツクラブ、ホームセンター |
介護・福祉系 | 病院、診療所、サービス付き高齢者向け住宅、 認知症グループホーム、障害者グループホーム、 保育所、学童保育施設 |
流通系 | 倉庫、物流センター、冷蔵・冷凍センター、 流通加工センター |
暫定利用系 | 駐車場、トランクルーム、資材置き場 |
土地活用は、まず立地によってどのような建物が建てられるかが決まってきます。そのため、まず、「立地特性から選択できる土地活用を絞り込むこと」が必要です。
次に、選択肢の中から「土地所有者様の目的に合致した土地活用方法を選択すること」が必要となります。
土地活用の目的には、収益を得たい、古い貸家を建替えたい、相続税を節税したい、などといったものがあります。
土地活用のプランニングでは、立地特性によって絞り込まれた土地活用方法の中から、目的に合致した活用方法を選ぶことで土地所有者様が満足できる土地活用を実現することができます。
土地活用は「何のために行うか」という目的をはっきりさせておかないと、周りの意見に流されやすくなります。複数の選択肢からベストなものを選ぶには、土地活用の目的を明確にしておくことがコツです。
以降に「立地特性に応じた土地活用方法」、「目的に応じた土地活用方法」について、詳しく見て行きます。
立地特性に応じた土地活用方法
土地活用のプランニングでは、まず土地所有者様がご所有する土地の立地特性に応じた適切な土地活用方法を絞り込みます。
この章では、「駅前立地」と「住宅地」、「ロードサイド」を例にして、立地特性に応じた土地活用方法を解説します。
①駅前立地

駅前立地は、賃貸需要が豊富で土地活用の選択肢も多いことから、何を行うべきか迷う立地条件の土地でもあります。
駅前立地は、「商業地域」や「近隣商業地域」と呼ばれる用途地域に指定されていることが多いです。
用途地域とは、一定のエリアごとに建築可能な建物の用途を定めた都市計画法による規制のことです。
商業地域や近隣商業地域は、建築できる建物の用途が広く、幅広い選択肢の中から活用方法を選ぶことができます。
また、駅前立地は容積率が高く設定されているケースが多いです。
容積率とは敷地面積に対する建物の延床面積の割合を指します。容積率が高いと、高層建築物を建てることが可能です。
よって、駅前立地は、例えば貸店舗や貸事務所、賃貸マンション等の様々な土地活用の選択肢があります。
立地特性の観点においては、これらの選択肢の中から賃貸需要が最も強い活用方法を選ぶことが適切です。

②住宅地

住宅地は、土地活用の選択肢が少ないことから、何を選択すべきか迷いにくい立地条件の土地と言えます。また、駅から離れている住宅地では賃貸需要が見込める土地活用が限られることから、土地活用に対して慎重さが必要となります。住宅地は、用途地域として第一種(二種)低層住居専用地域に指定されていることも多いです。
第一種(二種)低層住居専用地域は用途制限が厳しく、また容積率も低くなっています。
土地活用の主な選択肢としては、アパート経営や戸建て賃貸経営、賃貸併用住宅経営等が挙げられます。
広い土地の場合には、老人ホーム等の介護・福祉系の土地活用が選択できることもあります。



③ロードサイド

幹線道路に面しているロードサイドの土地は、敷地が広ければコンビニエンスストアやホームセンターといった貸店舗の土地活用ができる可能性があります。
一方で、敷地が狭い場合は、ロードサイドの土地を活用することは難しい場合も少なくありません。
場合によっては、トランクルームや駐車場経営等の暫定利用系の活用方法も合わせて考えていく必要があります。


目的に応じた土地活用方法
土地所有者の方にぜひ持っていただきたいのが、土地活用を行う目的です。土地所有者様に土地活用の目的があれば、それが羅針盤となって最適な方向に向かいやすくなります。
また、土地活用のプランニングを立てる側にとっても、土地所有者様が考える目的は重要な判断基準となります。
ここでは、目的に応じた土地活用方法を解説します。
①賃貸収入を目的とする土地活用

賃貸収入を目的とする土地活用であれば、収入が比較的高くなる商業系の土地活用を中心に考えることが適切です。
貸店舗や貸事務所といった商業系の土地活用は、多くの収入を得るための目的に合致します。
②相続対策を目的とする土地活用

土地活用は相続税対策を目的に行う人も多いです。
相続税対策を目的とする場合、遺産の分けやすさも考慮して活用方法を選択していくという考え方もあります。
例えば、2人の子供がいれば、遺産を平等に分けやすくするために戸建て賃貸住宅を2棟建てるというのも選択のひとつです。
③古い貸家の建替えを目的とする土地活用

古い貸家をお持ちの方の中には、いずれ建替えをしなければならない人もいます。
老朽化が進んだ貸家を建替える際は、借主(既存入居者様)に退去してもらう必要があり、明けわたし交渉(立ち退き交渉)が発生することが珍しくありません。
円滑に進めるためには経験豊富な土地活用の専門会社、及び弁護士との連携が不可欠と言えます。
④現金確保を目的とする土地売却

土地をお持ちの方の中には、すぐにまとまった現金を得ることが目的の人もいます。
まとまった現金が欲しい場合には、無理に活用する必要はなく、土地を売却することもひとつの選択肢となります。
また、活用が難しい土地を持っている場合も、無理にその土地の活用はせず、売却して他の立地条件の良い土地を購入し活用するといった選択肢も考えられます。
土地活用コンサルティングは東建コーポレーションにご相談ください
以上、土地活用のプランニングについて解説してきました。
土地活用はアパートだけではなく、様々な選択肢が存在します。
土地活用の検討方法としては、立地特性による検討と目的による検討の2つの方向性がありました。
最適な土地活用を行うには、立地特性と目的を踏まえた上で選択することが望ましいと言えます。
東建コーポレーションでは、全国の土地所有者様の目的に応じた最適な土地活用をプランニングしてきました。
そのノウハウの蓄積により、お客様のご要望にお応えする土地活用コンサルティングをご提供します。
土地活用をお考えの際は、東建コーポレーションにご相談ください。