
土地活用を進める上で、土地や建物の売買が絡むことは少なくありません。例えば、自分の所有する土地を売却し、より立地条件の良い土地を購入して(土地を買い換えて)、土地活用を行うといったケースです。
このような場合、オーナー様は売主と買主の両方の立場になりますので、それぞれの知識を知っておくと有利です。
土地を売買する場合、売主と買主では手順が異なり、また必要となる諸費用も異なってきます。売主と買主では、それぞれどのように土地売買を進めていけば良いのでしょうか。
この記事で解説していきます。
目次
土地売買の流れ

土地売買の流れ(売主側の場合)
はじめに売主側の土地売買の流れについて解説します。
- ① 土地の境界を確定しておく
- ② 土地の査定を依頼する
- ③ 媒介契約を締結する
- ④ 売却活動を開始する
- ⑤ 買付証明書を受領する
- ⑥ 売買契約を締結する
- ⑦ 引渡しを行う
- ⑧ 必要があれば確定申告を行う
① 土地の境界を確定しておく
土地売却のポイントとして、まず、土地の境界を確定しておくという点が挙げられます。境界確定とは、公共用地とそれに接する民有地の境界を決める手続きのことです。
一般的に土地売買の取引では、土地の境界がすべて確定していることが購入の条件となります。
売主は確定測量図(※)を引渡し時に買主へ渡します。
※確定測量図とは、道路や隣地等のすべての境界が確定しているときに作成される実測図のこと。
既に確定測量図を持っている人は改めて作成する必要はありませんが、確定測量図を保有していない人は引渡し時までに確定測量図を作成する必要があります。
確定測量図は作成までに時間がかかることもあるため、売却活動を行う前に作成しておくことをおすすめします。
確定測量図が作成されれば売却の準備は整いますので、次に不動産会社に売却価格の査定を依頼します。
② 土地の査定を依頼する
不動産会社に土地の売り出し価格をいくらにすべきかを査定してもらいます。査定は売り出し価格を決定するために、必ず必要なステップです。
具体的には売却する土地の周辺における最近の売買実績を根拠とした価格に、目標地の立地条件による加点減点を加えることで、目標地の売り出し価格を算出することになります。
不動産会社は、上記のような査定を無料で行ってくれます。
③ 媒介契約を締結する
前項の売り出し価格の査定は、不動産会社にて無料で行ってくれますので、通常は複数の不動産会社に持ち込むことになります。
当然ながら近隣の売買実績が豊富で、査定価格の信頼が持てる不動産会社を選ぶと良いでしょう。
その上で、売却を依頼したい不動産会社が決まったら、媒介契約(※)を締結します。
※媒介契約とは、不動産会社に依頼する仲介の契約のこと
④ 売却活動を開始する
媒介契約を締結したら、売却活動の開始となります。
目標地の売買条件をまとめた売買物件資料を作成し、不動産会社のホームページやチラシ、新聞広告などに売却物件とし公開し買主を探します。
また、物件情報をレインズに掲載することで、物件情報は全国の不動産会社で共有されます。
レインズとは、国土交通省が指定する不動産流通機構が管理・運営している情報ネットワークシステムのことです。
⑤ 買付証明書を受領する
購入希望者が現れたら、「買付証明書」を受領します。
買付証明書とは、購入希望者が正式に購入の意思を示す申し入れ書のことです。
買付証明書には、購入希望価格が記載されることが通常です。
⑥ 売買契約を締結する
買付証明書の内容に問題なければ、買主と売買契約を締結します。不動産の売買では、売買契約から引渡しまで1ヵ月程度の期間を空けることが通常です。
売買契約では、契約が成立した証として買主から手付金を受領します。
⑦ 引渡しを行う
土地の所有権の移転と売買代金の受領のタイミングは、引渡し時になります。
引渡し時は手付金を除く残金を買主から受領します。
⑧ 必要があれば確定申告を行う
土地の売却で税金(譲渡所得税)が発生する場合には、売主は売却後に確定申告が必要になります。
確定申告は、売却の翌年の原則として2月16日から3月15日までの間に行います。
例えば、2023年に売却した場合は、翌年2024年2月16日から3月15日までの間に確定申告を行う必要があります。
土地売買の流れ(買主側の場合)
次に、買主側の土地売買の流れについて解説します。
- ① 情報収集をして物件見学をする
- ② 買付証明書を提出する
- ③ 売買契約を締結する
- ④ 引渡しを行う
① 情報収集をして物件見学をする
買主は、インターネット等の物件情報サイトを活用するなどして購入したい土地を探します。
興味がある土地があれば、広告を掲出している不動産会社に問合せ、現地を見せてもらい詳しい話を聞きます。
② 買付証明書を提出する
正式に購入したい土地であれば、売主に対して「買付証明書」を提出します。
買付証明書には、購入希望価格を記載することが通常です。買付証明書は、あくまでも買主の正式な意思表示を示した書面であり、買付証明書を提出したからといって売買が成立するわけではありません。
値引き交渉したい場合には、売り希望価格よりも少し低い金額で購入希望価格を記載します。
ただし、低過ぎる価格を記載して売主側から断られてしまうと購入できないため、値引き交渉をしたい場合には不動産会社とよく相談して購入希望価格を決定することが望ましいでしょう。
③ 売買契約を締結する
買付証明書を提出後、売主の了解が取れれば売買契約を締結します。売買契約時は、売主に対して手付金を支払います。
手付金の相場は、売買代金の10%程度です。
④ 引渡しを行う
引渡しは売買契約の約1ヵ月後に行われます。
引渡しでは手付金を除く残代金を支払い、所有権は引渡し日に買主に移転します。
土地売買で生じる諸費用

次に、土地売買で生じる諸費用について解説します。
売主に生じる費用
売主には以下のような費用が生じます。
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費用項目 | 費用の目安 |
---|---|
仲介手数料 (別途消費税) |
売買代金が400万円超:「売買代金×3%+6万円」 売買代金が200万円超400万円以下:「売買代金×4%+2万円」 売買代金が200万円以下:「売買代金×5%」 |
印紙税 | 主な印紙税は以下の通りです。 (2024年3月31日までの軽減税率) 売買代金が1,000万円超5,000万円以下:1万円 売買代金が5,000万円超1億円以下:3万円 |
抵当権抹消費用 | 土地に抵当権が設定されている場合に生じる費用となります。 抵当権抹消の登録免許税は、不動産1個につき1,000円です。 司法書士手数料は、1.0~2.5万円程度となります。 |
一括返済手数料 | 土地を担保にローンを借りている場合は、一括返済手数料が生じます。 税込みで3.3~5.5万円程度です。 |
所得税 住民税 復興特別所得税※ |
譲渡所得(売却益)が発生した場合に生じます。 所得税及び住民税、復興特別所得税を合算した原則的な税率は以下の通りです。 保有期間5年以下:譲渡所得の39.63% 保有期間5年超:譲渡所得の20.315% (保有期間は売却した年の1月1日における所有期間のこと) |
※復興特別所得税とは、2037年まで適用される東日本大震災復興のための税金(所得税額の2.1%)のこと。
買主に生じる費用
買主には以下のような費用が生じます。
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費用項目 | 費用の目安 |
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仲介手数料 (別途消費税) |
売買代金が400万円超:「購入金額×3%+6万円」 売買代金が200万円超400万円以下:「購入金額×4%+2万円」 売買代金が200万円以下:「購入金額×5%」 |
印紙税 | 主な印紙税は以下の通りです。 (2024年3月31日までの軽減税率) 売買代金が1,000万円超5,000万円以下:1万円 売買代金が5,000万円超1億円以下:3万円 |
不動産登記費用 |
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不動産取得税 | 固定資産税評価額×3%(2024年3月31日まで) |
不動産売買を伴う土地活用は、東建コーポレーションへお気軽にご相談下さい
以上、土地売買について解説してきました。
売主と買主では、流れや発生する費用が若干異なります。
土地売買を行う際の参考にして頂けると幸いです。
東建コーポレーションでは、不動産売買を専門に取り扱う仲介担当者を設置し、土地売買を伴う土地活用実績が豊富にあります。
その様々な知識とノウハウを活かし、お客様の土地活用に最適な候補地を選定すると共に、土地活用コンサルティングをご提供致します。
不動産売買を伴う土地活用は、東建コーポレーションへお気軽にご相談下さい。
