公開日:2024年12月27日

土地活用を始める際は法務局に相談して、
土地情報を確認しよう
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土地活用を始める際は法務局に相談して、土地情報を確認しよう

土地活用を始めるためには、自分の土地や建物のことをよく知っておく必要があります。
そのために役立つのが、法務局で取得できる「登記簿謄本」や「公図」などの資料です。

例えば、登記簿謄本には、誰がこの土地の持ち主で、どんな権利を持っているのか、過去の取引はどんなものだったのかなど、様々な情報が詰まっています。
しかし、「登記簿謄本なんて難しそう…」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では、法務局で取得できる「登記簿謄本」や「公図」などの書類がなぜ必要なのか、どんな情報が載っているのか、そして、その情報をどう活かして土地活用を進めていけば良いのかを、分かりやすく解説していきます。

1.法務局への相談
❶登記簿謄本で登記情報を確認

法務局への相談 ①登記簿謄本で登記情報を確認

法務局では登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を確認することができます。

登記簿謄本は土地や建物にとっての住民票のようなもので、「表題部」と「権利部(甲区・乙区)」に分かれた区分に、それぞれ以下の情報が記載されています。

登記簿謄本(見本)

▲登記簿謄本(見本)

出典:法務省ホームページ

スクロールしてご覧下さい

登記簿謄本の区分 確認できること
表題部 土地の所在地や地番・地目・地積など
建物の所在地や家屋番号、種類、構造、及び
床面積など
権利部 甲区
(こうく)
所有権に関する登記事項の記録
乙区
(おつく)
抵当権など所有権以外の権利に関する
登記事項の記録

1-1.表題部

登記簿謄本の「表題部」では、不動産の物理的な情報を確認することができます。
人間で言えば「戸籍謄本」のようなもので、不動産の所在地や種類、大きさなどの基本的な情報が記載されています。

《 登記簿謄本の「表題部」で確認できる主な情報 》

【土地の場合】

項 目 確認できる情報
所 在 土地がある場所
地 番 土地の区画を特定するための番号
地 積 土地の面積
取得原因 土地を取得した方法(売買、相続、贈与等)
取得の日付 土地を取得した年月日
《 登記簿謄本の「表題部」で確認できる主な情報 》

【建物の場合】

項 目 確認できる情報
所 在 建物がある場所
家屋番号 建物を特定するための番号
種 類 建物の用途(住宅、店舗、工場等)
構 造 建物の構造(木造、鉄骨造、RC造等)
床面積 各階の床面積を合計した、建物の延床面積

「表題部」を見ることで、土地の広さや建物の大きさ・構造等が分かります。
土地の面積は売却金額を想定するのに役立つほか、土地のアスファルト舗装を行う等の工事費に目安を付ける際にも役立ちます。また、既存建物の床面積と構造が分かれば、解体費などを概算で算出することもできます。

このように、「表題部」からは、土地活用を行う場合のスケール感や費用感が分かる基本情報が確認できます。
単純に、不動産の情報を忘れてしまったという場合にも、基本情報が網羅的に掲載されているため、登記簿謄本を取得すれば、概ね、必要情報を確認することができます。

1-2.権利部(甲区)で所有権を確認

権利部(甲区)には、所有権に関する登記事項が記録されており、現時点における不動産の所有者が分かります。
また、所有者がどのように不動産を取得したのかも分かります。例えば、相続や贈与、売買、交換などです。
所有権者が一人でない場合は、共有者とそれぞれの持ち分を確認することもできます。

ただし、「相続で土地を受け継いだけれど、移転登記がされていない」というケースもあり、この場合は、現在の所有者を確認することができません。
現在では相続登記の義務化によって、状況は改善されつつありますが、依然として相続で土地を受け継いだあと、相続登記が未登記の土地は存在します。

相続登記が未登記の土地は、売却や賃貸が難しかったり、他の相続人とのトラブルに発展したりするリスクがあるため、ご所有地の相続登記が未登記の場合は、相続登記を完了するようにしましょう。

1-3.権利部(乙区)で所有権以外の権利を確認

乙区には、所有権以外の権利に関する登記事項が分かります。
ここでは、主な所有権以外の権利3点についてご紹介します。

1-3-1.抵当権

抵当権とは、金融機関から融資を受ける際に不動産を担保として設定する権利のことを指し、以下の2種類があります。

《 抵当権と根抵当権の概要 》
抵当権 債権の金額が決められ、返済額や返済時期が決まっている。
根抵当権
(ねていとうけん)
債権の上限額が決められ、その範囲内であれば、借入や返済を繰り返し行える。

土地活用をしたり、所有地を売買したりするときは、基本的に抵当権を抹消する必要があります。

土地活用の場合、土地に抵当権が残っていると、融資を受けることが難しくなります。
なぜなら、融資をしたあとに、土地に残っている抵当権を設定した金融機関が土地を差押える可能性があるためです。
そのため、土地活用の計画地に抵当権が残っている場合、抹消しておくことが望ましいでしょう。

1-3-2.賃借権

賃借権とは、賃料を支払うことで、他人の物を使うことができる権利のことです。
例えば、アパートに住んでいる入居者様は、家賃を支払うことでアパートのオーナー様から部屋を借りて住んでいます。この「家賃を支払って部屋に住む権利」が賃借権です。

賃借権が登記されるケースとしては、借地等が挙げられます。具体的には、賃借権の項目に記載された個人や企業に土地を貸している状態です。

現在は、借地借家法に定める定期借地権で土地を貸すのが主流となっており、契約期間の満了をもって土地を更地で返してもらえます。
しかし、賃借権の設定日が1992年より前の場合は注意が必要です。この場合は、旧借地法の賃借権と考えることができ、地主側からの解約や更新拒絶が難しいためです。

1-3-3.地役権

「地役権」とは、自分の土地に都合が良いように他人の土地を利用できる権利のことです。

例えば、高圧電線が張られた下の土地などに「地役権」を登記することによって、その土地に高層の建物を建てさせないように制限をすることが可能となります。
そのため、土地に地役権が登記されていないかを確認することは、土地活用を検討する上で重要な確認事項となります。

2.法務局への相談
❷公図を使って隣地に関する情報の確認

法務局への相談 ①登記簿謄本で登記情報を確認

法務局では、公図と呼ばれる土地の図面を取得することができます。
公図とは、法務局(登記所)が保管している「土地台帳附属地図」の一般的な呼称です。
公図を見ることで、土地のおおまかな形状、地番、道路付きや隣地との位置関係を知ることができます。

また、公図では所有地に隣接する土地の地番も分かります。隣地の地番を指定して登記簿謄本を発行してもらえば、隣地の所有者がどこの誰なのかを知ることができます。
土地活用を行う場合、隣地との境界をはっきりさせる必要がありますので、このように公図を起点として隣地所有者への連絡を取ることはよく行われます。

隣地を購入することでご所有地の敷地面積を大きくしたり、ご所有地がいびつな形をしている場合に隣地を購入することで土地の形を整えるなど、より有利に土地活用を行うために隣地の購入を検討する際にも、公図が役に立ちます。

公図(イメージ)

▲公図(イメージ)

3.法務局への相談
❸地積測量図で土地の正確な形を確認

土地を活用をしたり、売買したりする際は、「地積測量図」という「実際に計測をした図面」が必要になる場合が多いです。
すべての土地に地積測量図があるわけではないですが、存在する場合は法務局に保管されています。
この図面があると、土地の正確な面積や間口、奥行きも詳細に把握することができます。

法務省:地積測量図のサンプル

▲法務省:地積測量図のサンプル

地積測量図は、境界を確定した上で作成されるため、隣地との境界が確定済であることの証にもなります。

4.法務局への相談
❹閉鎖謄本で土地汚染などのリスクを確認

法務局への相談 ④閉鎖謄本で土地汚染などのリスクを確認

土地や建物といった不動産の概要や、所有権や抵当権などの権利関係情報は、登記簿謄本で確認することができます。しかし、取り壊しなどによって消滅した建物のような不動産については、登記簿謄本が非公開(閉鎖)となるため、閉鎖謄本の確認が必要になります。

不動産の閉鎖謄本とは、土地や建物の登記記録が何らかの理由により閉鎖された場合に、その閉鎖された登記記録が保存されている帳簿、または、データ化され保存される磁気ディスクのことを指します。

閉鎖謄本を確認することで、その土地がこれまでどのような使われ方をしてきたかを知ることができます。

例えば、過去に化学工場やガソリンスタンドなどが建てられていた場合は、土壌汚染の可能性についても考慮する必要が出てきます。

購入を予定する土地の悪いうわさを聞いたときや、遠縁の親族から土地を相続した際などその土地が過去、どのように使われていたのかが気になる場合は、法務局で閉鎖謄本を確認するようにしましょう。

5.【まとめ】土地活用を始める際は、法務局に相談して土地情報を確認しよう   

以上、土地活用を始める際に、法務局に相談して取得できる「登記簿謄本」や「公図」などの資料について解説してきました。

法務局では、不動産に関する物理的、権利的な情報を確認できる登記簿謄本や、土地のおおまかな形状や地番、道路付き、隣地との位置関係を確認できる公図、土地の正確な面積や形を確認できる地積測量図などをご紹介しました。

法務局で取得できる書類や情報は、どれも土地活用を行う上で重要なものです。しかし、書類も情報も専門用語が多いため、窓口で適切な言葉が思い浮かばず困ることもあると思います。
そんな場合は、「隣地の持ち主を知りたい」「土地情報を知りたい」など、一般用語で相談すれば、具体的な手続きの方法など、適切な回答がもらえるはずです。
不動産の調査のために、法務局へ相談する際のご参考にしていただければ幸いです。

東建コーポレーションでは、土地所有者様に代わりご所有地の「法務局調査」「役所調査」「現地調査」を営業部員と建築部員により実施し、その調査結果をもとにご所有地に適切な事業計画の立案、及びご提案をさせていただきます。
土地活用についてお考えの際は、ぜひ東建コーポレーションにご相談ください。

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