
使用していない土地を何らかの方法で活用する「土地活用」は、長期に安定した収益を得られる方法として有効ですが、実行には慎重な判断が求められます。中には間違った判断や知識不足が原因で、失敗に繋がるケースもあります。
土地活用を成功に導くためには、成功例と失敗例を把握した上で、失敗しないための対策を立てることが重要です。
本記事では、土地活用の成功例と失敗例を事例でご紹介します。
また、失敗を防ぎ、成功率を高めるためのポイントも解説しますので、これから土地活用を始めたいと考えている方は、ぜひご参考になさってください。
目次
1.賃貸マンション・アパート経営の成功例と失敗例

賃貸マンションやアパートなどの賃貸住宅は、広く需要があることから安定した収益を得られる可能性が高いですが、どのような土地でも成功できるわけではありません。
立地条件や賃貸需要を見極めなければ、入居者様が集まらず、空室に悩まされることになります。
ここでは、賃貸マンション経営とアパート経営を成功させるために知っておきたい成功例と失敗例、それぞれの要因をご紹介します。
- 1-1.成功例:賃貸マンションに付加価値を付けて競争優位性を確立
- 1-2.失敗例:市場調査を十分に行わずニーズを見誤った


1-1.成功例:賃貸マンションに付加価値を付けて競争優位性を確立
都市部の駅近くの土地を相続したAさんは、副収入を得るために土地を有効活用しようと考えました。
しかし、土地活用について調べていくうちに、都市部の駅近くは競合となる賃貸住宅が多いため、「駅が近いというだけでは、競争優位性を保てないのではないか」と考え、土地活用の専門家に相談することにしました。
専門家からのアドバイスを受け、周辺の賃貸住宅にはない付加価値をつけることが有効だと分かったため、「家具・家電付きの単身者向けマンション」を建設しました。
家具・家電付きの仕様により、入居者様は引越しの費用や手間を抑えられるようになり、その手軽さが評価されて多くの入居希望者様が集まる結果となったのです。
成功要因
たとえ立地条件の良い土地であっても、周辺に競合の賃貸住宅が複数あれば、その場所で賃貸マンション経営やアパート経営を始めても、他の競合物件に埋もれてしまい入居者様をうまく獲得できない可能性があります。
Aさんは土地活用について調べているうちにその事実に気付き、専門家に相談するという行動が取れたため、差別化という対策方法を見出せたと言えます。
また、都市部の駅近くのエリアは、生活利便性を重視する単身者から人気があります。
単身者は、引っ越しする上で手間と費用を抑えたい傾向が特に強いため、家具や家電を運び入れる手間と、初期費用を抑えられる「家具・家電付きの賃貸住宅」にすることで、入居者ニーズを掴むことに成功したのです。

1-2.失敗例:市場調査を十分に行わずニーズを見誤った
Bさんは、知り合いがアパート経営を行っていたこともあり、土地活用で収益を得ることに興味を持っていました。
不動産投資に詳しい友人に話を聞くと、「高い収益を上げるなら、賃料単価が高い単身者向けの間取りが狙い目」と言われたので、工務店に依頼して、所有地に単身者向けのアパートを建築しました。
「この地域には若い人もいるし、何より新築なのですぐに満室になるだろう」と考えていたBさんでしたが、実はアパートを建築したエリアは、単身者よりもファミリー世帯の賃貸需要が高く、経営開始早々、入居者様が思うように集まらない事態が生じてしまいました。
失敗要因
Bさんのご友人がおっしゃる通り、賃貸マンション経営やアパート経営で最も賃料単価が高いのは、ワンルームや1Kといった単身者向けの間取りです。
しかし、どんなに賃料単価が高くても、賃貸需要が見込めなければ空室に悩まされることになります。
土地活用は典型的な立地産業であり、賃貸需要があって初めて成り立つものです。
Bさんは、入居者ニーズを二の次にして十分な市場調査を行わず、収益性ばかりを重視しすぎたため、新築にもかかわらず入居者様が集まらない結果となったと言えます。

2.戸建て賃貸経営の成功例と失敗例

戸建て賃貸経営とは、ご所有地に戸建て住宅を建築し、入居者様に貸し出すことで収益を得る土地活用方法です。
集合住宅に比べて間取りが広く、プライバシーも保てることから、ファミリー世帯に一定の需要があります。
ここでは、戸建て賃貸経営の成功例と失敗例をそれぞれご紹介します。
- 2-1.成功例:土地の特性を活かした活用方法で収益性を向上
- 2-2.失敗例:広すぎる戸建て賃貸を建ててしまった

2-1.成功例:土地の特性を活かした活用方法で収益性を向上
Cさんは、両親から相続した郊外の土地を活用する方法を探していました。
当初は、土地活用の王道と言われるアパート経営を検討していましたが、敷地面積が狭く、建築が難しいことが分かったため、友人に相談したところ、「戸建て賃貸経営」を勧められました。
しかし、相続した土地は駅から遠く、賃貸需要が相応に見込めると思えなかったCさんは、土地活用の専門家に相談した結果、車庫付きの戸建て賃貸住宅(ガレージハウス)にすることを決意。その結果、車庫付きという希少性の高さが評価され、入居希望者様が現れました。
さらに、車庫という付加価値があることで通常の戸建て賃貸よりも高い賃料設定が可能となり、収益性を高めることにも成功したのです。
成功要因
賃貸需要は、一般的に人口の多さや駅からの距離、生活利便施設の充実度といった生活利便性の高さに大きく左右されます。
そのため、Cさんが相続した「駅から遠い郊外の土地」は、決して賃貸需要が高いとは言えませんでした。
しかし、郊外では車を所有している人が多く、車での移動を前提とする生活スタイルが根付いていることから、駅までの距離を重視しない入居者様も一定数いらっしゃいます。
これに着目したCさんは、車を所有する人々をターゲットに、ガレージ付きの戸建て賃貸住宅(ガレージハウス)を建築しました。
このように、土地の特性や入居者ニーズを的確に捉えたCさんの戦略は、駅から遠いという土地の弱点を補い、それどころか強みに変えたのです。
2-2.失敗例:広すぎる戸建て賃貸を建ててしまった
Dさんは、初期費用の安さや管理の手間が少ない点に魅力を感じ、ご所有地を活用して戸建て賃貸経営を始めることにしました。
せっかく賃貸経営をするなら多くの収益を得たいと考え、延べ床面積を130㎡と広く取り、通常よりも高い家賃を設定した戸建て賃貸住宅を建築しました。
しかし、周辺の賃貸住宅と比べて家賃が高かったことから、なかなか入居希望者様が現れません。入居を付けるために家賃を下げることも検討しましたが、建築費が高額だったため、家賃を下げてしまうと採算が取れなくなってしまうことから減額に踏み切ることができませんでした。
結果として、借入金の返済を自己資金で補填し続ける厳しい経営状態に陥ってしまったのです。
失敗要因
Dさんの失敗要因は、戸建て賃貸住宅の延べ床面積を広く取りすぎてしまった点にあります。
賃貸物件は、延べ床面積が広くなるほど家賃も高くなりますが、一方で家賃が上がるほど賃貸需要は低くなる傾向があります。
延べ床面積を広く取ると、その分建築費が高額になり、それに伴い金融機関からの借入金額も増えます。採算を取るためには家賃を高く設定する必要がありますが、先に挙げた通り、賃貸需要は家賃が高いほど低くなる傾向があるため、入居者様が集まりにくくなります。
家賃を下げて入居を付けることも検討できますが、投資効率が悪化することから思い切った減額ができず、最終的には自己資金で借入金を返済していくという、厳しい状況に陥ってしまったのです。
3.成功例と失敗例から学ぶ!土地活用の成功率を高めるポイント
ここからは、成功例と失敗例から学ぶ、土地活用の成功率を高める3つのポイントをご紹介します。
- 3-1.市場調査を実施して賃貸需要を見極める
- 3-2.収支シミュレーションを行う
- 3-3.土地活用の専門家に相談する
3-1.市場調査を実施して賃貸需要を見極める
土地活用の成功率を高めるためには、まず市場調査を実施し、ご所有地周辺の賃貸需要を正確に見極めることが重要です。
市場調査を十分に行わないまま土地活用を始めた場合、賃貸需要との不一致から入居者様が集まりづらくなり、賃貸経営を安定させることが困難になります。
例えば、ファミリー世帯が多く暮らすエリアに、単身者向けのワンルームアパートを建てても、満足のいく入居率を達成するのは難しいでしょう。
入居者ターゲットに加え、駅までの距離や周辺の生活利便施設の充実度など、土地の特徴を十分に理解し、最適な土地活用方法を見つけることが成功への鍵となります。
3-2.収支シミュレーションを行う
土地活用を成功させるためには、収支シミュレーションを行い、収益性に問題がないかを確認することも重要です。
収益性を確認せずに賃貸経営を進めてしまうと、予想以上に収益が上がらなかったり、少しの空室が生じただけで経営が苦しくなってしまったりするなど、様々なリスクが発生する可能性があります。
収支シミュレーションを行う際は、初期費用だけでなく、継続的に生じる維持管理費にも注意を払う必要があります。
固定資産税や都市計画税、管理委託料、損害保険料、水道光熱費などの支出を把握し、それらを考慮した上で、健全なアパート経営を行えるのかを判断することが大切です。

3-3.土地活用の専門家に相談する
土地活用には専門的な知識が求められるため、一人の判断で進めようとすると失敗のリスクが高まります。
特に、ご所有地周辺の賃貸需要を見極めるための「市場調査」や、収益性を確認するための「収支シミュレーション」には、土地活用に関する専門知識が不可欠です。
専門家のサポートを受けることで、より的確で効果的な土地活用プランを立てることができるでしょう。
なお、土地活用の相談をするなら、土地活用の専門会社が最適です。
土地活用専門会社は、独自の情報やノウハウを豊富に持っているため、立地条件や周辺の賃貸需要、土地の形状、大きさなどに応じて、最適な活用方法を提案してくれます。

4.土地活用を始めたいとお考えの方は
東建コーポレーションまでご相談ください

以上、土地活用の成功例と失敗例を解説しました。
土地活用の成功率を高めるには、市場調査で周辺の賃貸需要を見極めたり、収支シミュレーションで賃貸経営の収益性を確認したりすることが重要です。
なお、賃貸経営には専門的な知識が求められるため、一人で進めようとせず、土地活用の専門家に相談した上で、適切なプランを立てることが成功への近道となります。
土地活用で収益を得たい、自分の土地でどのような活用方法ができるのかを知りたいという方は、土地活用の専門会社である東建コーポレーションまでご気軽にご相談ください。
独自の市場調査データをもとに、ご所有地周辺の賃貸需要を見極めた上で、最適な土地活用方法をご提案いたします。
