公開日:2024年6月10日

賃貸住宅経営で土地活用をする際に必要な3つの設計図書 - ホームメイト

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賃貸住宅経営で土地活用をする際に必要な3つの設計図書

賃貸住宅経営で土地活用をする際には、建物の計画段階から契約、竣工の段階に応じた3種の図面を施工会社から受領します。
これらは設計図書と呼ばれる書類であり、発注した建物の詳細情報が記された重要な書類です。
設計図書にはどのような種類があり、どこを見れば良いのでしょうか。
この記事では3種の「設計図書」について、内容やチェックポイントなどを解説します。

設計図書とは

設計図書とは、建築基準法第2条12号により「建築物、その敷地または所定の工作物に関する工事用の図面及び仕様書」と定められており、建物を建築する検討段階で「基本設計図」、工事請負契約段階で「実施設計図」、竣工後に「竣工図」と呼ばれる図面が登場します。
これらの図面は一般的に設計図書と呼ばれており、このうち最終的に最も重要となるのは竣工図です。
竣工図は完成された建物の状態が図面に反映されているため、竣工後の建物を理解するのに役立ちますし、将来、リフォームや売却を行う際にも必要となるのが竣工図です。
実施設計図は請負契約の時点でつくられる詳細な図面ですが、工事中に内容が変更されれば竣工図とは内容が異なってしまう可能性があります。
例えば、工事請負契約時点では扉の仕様を「開き戸」としていたものを、工事の途中で「引き戸」に変更すれば、実施設計図では開き戸、竣工図では引き戸が記載されることになります。
竣工図は竣工した建物の有姿を反映した図面であることから、受領したら大切に保管しておくことが重要です。

設計図書の種類と概要

この章では設計図書のうち基本設計図と実施設計図について解説します。

基本設計図

基本設計図とは、建物の検討段階で設計者との打ち合わせに使用する図面のことを指します。
設計の打ち合わせのたびに使用しますので、お施主様が実質的に最も目にする図面になります。
初めて図面を見る人にとっては基本設計図ですら詳細な図面に感じますが、これでもラフな図面になります。
基本設計図は打ち合わせ用の図面といっても過言ではなく、お施主様との打ち合わせの内容に基づき図面を描き直して建物仕様の大枠を決定していきます。
基本設計図は、敷地の中に建物の配置を記した「配置図」と、各階の平面の状況を表した「平面図」が多く利用されることが一般的です。
主な基本設計図は以下の図面です。

配置図

配置図とは、敷地内の建物の位置関係を示す図面です。
外構部分も描かれており、建物エントランスや駐車場、駐輪場、植栽計画等も確認できる図面となっています。

《 配置図の例 》
配置図の例

各階平面図

各階平面図は、各階の平面プランを示す図面で、詳細な寸法が記載されています。

《 平面図の例 》
平面図の例

立面図

立面図とは、建物の外観の側面を4方向から見たときの図面のことで、外観を把握することができます。
表側の道路から見たときや、裏側から見たときの状況を把握できる図面です。

《 立面図の例 》
立面図の例

実施設計図

基本設計図によってお施主様と建築プランの合意が取れたら、設計者は次に見積もりを正確に出すための実施設計図を作成します。
土地活用では、施工会社から提案時に見積もりが提示されることも多いですが、提案時の見積もりは、あくまでも概算見積になります。
見積もりに必要な材料の数量を出すには、実施設計が必要です。
例えば、トイレひとつを取ったとしても、トイレの位置が決まったら、床下に排水管を伸ばすことになりますが、排水管の距離が何mになるかは、当初の概算見積段階では分かっていません。
基本設計図でトイレの位置を確定し、実施設計で排水管の長さを設計して、はじめてトイレの正確な見積もりを出すことができるのです。
つまり、実施設計図は工事請負契約を締結するにあたり、工事費を正確に算出するために作成される図面ということになります。
主な実施設計図は以下の図面です。

展開図

展開図とは、各室の中心に立って四方向を見たときの住戸内の姿図で、角柱(部屋の壁部分)を展開した図面となります。
ドアやクローゼット、窓等の高さや大きさといった情報が分かる図面です。展開図を見るときは平面図と照らし合わせながら見ることがコツです。展開図は打ち合わせ段階の基本設計図では出てこないことから見慣れておらず、急に出てくると理解するまで時間がかかるかもしれません。

《 展開図の例 》
展開図の例

構造図

構造図とは、構造設計者が構造計算を行って作成した図面のことで、建築する上では重要な書類ですが、一般の人にはなかなか理解しにくい図面となっています。

《 構造図の例 》
構造図の例

設備図

設備図とは、給排水や給湯、ガス、冷暖房、換気、昇降機、電気の幹線の系統・配置、専有部の詳細配管・配線、機器・器具類の位置等を示した図面のことで天井裏や床下の状況が分かる図面となっています。設備図を作成することで配管や配線の長さを拾うことができ、詳細の見積もりを算出できるようになっています。

《 設備図の例 》
設備図の例

設計図書のチェックポイント

設計図書では、「建物や駐車場の配置など使い勝手は良いか」、「共用部の動線に合わせて適切に設備は配置されているか」など、実際に入居する人の立場で確認することが重要です。
設計図書の具体的なチェックポイントは、以下のようなポイントです。

《 設計図書のチェックポイント 》
  • ・敷地内における建物及び駐車場の配置
  • ・共用部の動線(エントランス、集合ポスト、エレベーター、ゴミ置き場の位置等)
  • ・各部屋の間取り
  • ・バルコニーの有無と向き
  • ・セキュリティライン(オートロックの有無等)

設計上の床面積

設計図書では、法規に照らすために床面積がいくつかの表現で表示されることがあるため、使用目的を理解した上で、確認する必要があります。
主要な面積表現は、下表の通りです。

スクロールしてご覧ください

名 称 内 容
施工床面積 実際に施工される床面積のことです。延床面積にバルコニー等の外壁で囲まれていない部分の床面積を加えたイメージの面積になります。
法定床面積 建築基準法に定められた計算方法で求める床面積のことで、各階の法定床面積の合計を延床面積とも言います。施工床面積から、法定床面積に算入しない部分の面積(バルコニー、ベランダ、玄関ポーチ等)を除外した床面積のことです。
容積対象
床面積
法定延床面積から、容積率の計算上算入しない部分の面積(共用廊下、エントランスホール等)を除外した床面積のことです。この面積が都市計画法に定める容積率を超えてはいけません。
専有面積 貸し室部分の面積のことです。
賃貸面積とも表現されます。

土地活用では収益性を上げるために専有面積を最大化するように計画することが重要です。

《 面積ごとの包含関係図 》
面積ごとの包含関係図

土地活用をご検討の際は東建コーポレーションに
ご相談ください

以上、設計図書の種類とチェックポイントについて解説してきました。
設計図書とは、建築物の工事用の図面及び仕様書のことでした。
設計図書は基本設計図と実施設計図に大別され、実施設計図には展開図や構造図等があり、床面積の表現には、専有面積や法定床面積、施工床面積等があることをご紹介しました。
設計図書は大切な資料となりますので、竣工後はきちんと保管しておくことが大切です。
東建コーポレーションでは、賃貸経営を長期安定経営に導くために建築技術部(設計・現場監督)はもとより仲介管理部も擁し、入居仲介、建物管理、賃貸管理の3つの業務を通じて全国のオーナー様をサポートしています。そのノウハウの蓄積により、お客様のご要望に応じた適切な土地活用コンサルティングをご提供します。
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