更新日:2024年6月5日

賃貸住宅経営で土地活用をする場合に必要な6つの建物設備 - ホームメイト

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賃貸住宅経営で土地活用をする場合に必要な6つの建物設備

土地活用で賃貸住宅経営をする場合の建物は「躯体」と「設備」の2種類で構成されており、新築工事の見積もりは、躯体工事費用が約7~8割、設備工事費用が約2~3割を占めています。
特に、設備の費用は本体工事費のうち2~3割程度を占めるため、建築主は設備の内容もある程度、知っておくことが望ましいです。
建物設備には、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
この記事では「賃貸住宅経営の6つの建物設備」について解説します。

賃貸住宅経営の6つの建物設備

賃貸住宅経営の建物設備について解説します。

【1】給水設備

給水設備とは、主に公共水道から上水を宅内に供給するための設備で、給水設備は受水槽の有無で大きく2種類に分かれます。
水道本管の水圧を使って直接給水する方式を直結式給水、一旦水を受水槽に貯めてそこから給水する方式を受水槽式給水と呼びます。
衛生面や管理面からも、基本的には直結式給水を採用することが望ましいですが、建物の高さや地域の水圧事情により受水槽式給水を選ばざるを得ないこともあります。
受水槽式給水を選択した場合には、竣工後、受水槽の定期的な検査と清掃が必要です。
給水方式の分類をまとめると、下表のようになります。

≪ 給水方式の分類 ≫

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給水方式の分類 給水方式の種類
直結式給水
(受水槽なし)
水道直結直圧方式
水道直結増圧方式(増圧直結給水方式)
受水槽式給水
(受水槽あり)
高置水槽方式(重力方式)
圧力タンク方式
タンクレスブースター方式(ポンプ直送方式)

室内の給水配管方式としては、近年は「さや管ヘッダー工法」が多く採用されています。
さや管ヘッダー工法は、洗面所等の水回り部に設置されたヘッダーから管をタコ足状に分配し、各水栓当の器具に単独接続するものです。
水を同時に使用しても圧力変化が少なく、途中の分岐がないことから漏水の危険性が大幅に縮小できるという利点があります。

【2】給湯・ガス設備

給湯設備とはお湯を作る設備のことで、給湯方式には主にガスと電気がありガス給湯器の方が価格面や機能面で優れている傾向があります。ガス給湯器の出湯能力は号数で表され、号数が大きいほど大量のお湯を作る能力があることを示します。
ガス設備とは、キッチンや給湯器にガスを供給するための設備のことで、ガスの供給源は、大きく分けて都市ガスとプロパンガスの2種類があります。

【3】排水設備

排水設備とは、汚水や雑排水、雨水を建物の外に排出するための設備のことで、下水管が整備されている地域では、敷地外の公共下水道へと流します。
公共下水道へ排出する際、汚水・雑排水と雨水を分けて流す方式を「分流式」、汚水・雑排水と雨水を合わせて流す方式を「合流式」と呼びます。
また、排水設備では、洗面所やキッチンの下に排水管をわざと曲げた部分のことを指す「トラップ」を設けることが通常です。

≪ トラップ ≫
排水設備

トラップは、曲がった部分に封水(ふうすい)と呼ばれる水を溜めることで、下水本管から立ち上ってくる汚臭や虫等が室内に侵入することを防ぐ役割があります。
封水が蒸発してしまうと、部屋中に汚臭が立ち込めてしまうため、長期間空き家となるようなケースでは、定期的に蛇口から水を流して、封水を溜めておくことが適切です。

【4】電気設備

電気設備は主に電気を宅内に引き込むための設備のことで、共同住宅は電力会社の電気を共同引込線により建物内に引き込んでおり、これを受電と呼びます。
受電方法は、外部電柱または地下埋設電線から幹線を引き込み、引込盤、電力計を経て専用部の分電盤に到達させます。
その後、分電盤にて系統分けして、末端の照明器具や電気機器に電気を送ります。
各住戸に供給される電力には、単相2線式と単相3線式の2種類があり、それぞれの特徴をまとめると、下表の通りです。

≪ 配線方式 ≫

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配線方式 内 容
単相2線式
  • ・電圧線(100V)と中性線の2本の線を利用。
  • ・得られる電圧は100Vのみ。
単相3線式
  • ・2本の電圧戦とそれに挟まれた1本の中世戦の3本の線を利用。
  • ・得られる電圧は、200V(電圧線2本)または100V(電圧線と中性線)。
  • ・近年、200Vの電圧を必要とする大型家電も増えてきたため、よく採用されている。

単相2線式を選択すると200Vの電力が必要となる家電製品(例えばエアコン等)が使用できなくなるため選定には十分な検討が必要です。

【5】換気設備

換気設備は、自然換気と機械換気に大別されます。
自然換気とは、室内と室外の温度差による対流や風圧等、自然の条件を利用して換気する方式のことです。
機械換気とは、換気扇や送風機等の機械を利用して、強制的に換気する方式になります。
換気設備は、給気と排気の方法によって下表のように分類されます。

≪ 換気方式 ≫

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換気方式 給気の方法 排気の方法
機械換気方式 第一種機械換気方式 機械 機械
第二種機械換気方式 機械 自然
第三種機械換気方式 自然 機械
自然換気方式 自然 自然

住宅では、台所や浴室、便所、洗面所等では排気のみを機械換気とし、給気は給気口から取り入れる第三種機械換気方式を多く利用しています。
また、2003年に建築基準法が改正され、シックハウス対策として住宅には原則として機械式換気扇(24時間換気システム)を設置することが義務付けられました。
シックハウスとは、建材や家具、日用品等から発散するホルムアルデヒドやVOC(トルエン、キシレン等の揮発性の有機化合物)を原因とする一定の症状のことで、目がチカチカする、のどが痛い、めまいや吐き気がするといった症状が挙げられます。
化学物質の濃度の高い部屋に長期間暮らしていると、健康に有害な影響が出る恐れがあるとされています。
24時間換気システムは、外壁に換気口を設置し換気扇で汚れた空気を集めて外気に換気する方式のことです。

【6】消防用設備等

消防用設備等とは消防法上の設備のことで、消防の用に供する設備(消火設備・警報設備・避難設備)、消防用水及び消火活動上必要な施設のことです。
消防用設備等は、一定の場合、下表のような点検が義務付けられています。

≪ 消防設備点検の種類 ≫

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点検の種類 点検の頻度 結果の報告の頻度
機器点検 6ヵ月に1回 共同住宅では3年に1回
総合点検 1年に1回
≪ 賃貸住宅経営の建物設備 ≫

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設備名称 概 要
給水設備 給水設備とは、主に公共水道から上水を宅内に供給するための設備。水道本管の水圧を使って直接給水する方式を直結式給水、一旦水を受水槽に貯めてそこから給水する方式を受水槽式給水と呼ぶ。
給湯・ガス設備 給湯設備とはお湯を作る設備のことで、給湯方式には主にガスと電気がある。ガス設備とは、キッチンや給湯器にガスを供給するための設備のことで、ガスの供給源は、大きく分けて都市ガスとプロパンガスの2種類がある。
排水設備 排水設備とは、汚水や雑排水、雨水を建物の外に排出するための設備のことで、下水管が整備されている地域では、敷地外の公共下水道へと流す。
電気設備 電気設備は主に電気を宅内に引き込むための設備のことで、共同住宅は電力会社の電気を共同引込線により建物内に引き込んでおり、これを受電と呼ぶ。
換気設備 換気設備は、自然換気と機械換気に大別される。自然換気とは、室内と室外の温度差による対流や風圧等、自然の条件を利用して換気する方式のこと。機械換気とは、換気扇や送風機等の機械を利用して、強制的に換気する方式のこと。
消防用設備等 消防用設備等とは、消防法上の設備のことで、消防の用に供する設備(消火設備・警報設備・避難設備)、消防用水及び消火活動上必要な施設のこと。

土地活用をご検討の際は東建コーポレーションに
ご相談ください

以上、建築物の設備について解説してきました。
設備には、「給水設備」や「給湯・ガス設備」、「排水設備」、「電気設備」、「換気設備」、「消防用設備」等がありました。
工事費の見積もりを見る際の、参考にしていただけると幸いです。
東建コーポレーションでは賃貸経営を長期安定経営に導くために建築技術部(設計・現場監督)はもとより仲介管理部も擁し、入居仲介、建物管理、賃貸管理の3つの業務を通じて全国のオーナー様をサポートしています。
そのノウハウの蓄積により、お客様のご要望に応じた適切な土地活用コンサルティングをご提供します。
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