
健全なアパート経営を続けるためには、適切な建物管理が不可欠です。
建物管理は外部の業者に委託することになりますが、賃貸オーナー様においても建物管理についての基礎知識を持っておくことが望ましいと言えます。建物管理にはどのような内容があり、賃貸オーナー様は何を実施していけば良いのでしょうか。
この記事では「アパート経営に必要な建物管理のポイント」について解説します。
目次
外観の管理
建物の外観は入居者様の確保や、商品競争力を維持する上で、重要なポイントです。
建物外観の清潔さや、デザインの良さ、手入れの行き届いた植栽等は、入居率の向上に繋がります。
入居希望者様をご案内する際、建物全体の印象は部屋そのものの印象と同じくらい強い影響を与えます。
入居希望者様に入居をご決断いただくためには、魅力的な外観を維持していくことが大切です。
外観の手入れとは、具体的には定期的に行う外壁塗装が挙げられます。
外壁塗装は10~15年に一度のペースで行いますが、入居率向上の効果も考慮し、きちんと実施していくことが適切です。
清掃の管理

建物管理は修繕やリフォームだけではなく、清掃も重要な管理項目となっています。
アパート経営で清掃が重要となる理由は、入居者様の退去を抑制し、入居期間の長期化に繋がるからです。
アパート経営では、入居者様に長く入居してもらった方が収益性は向上します。
入居者様が頻繁に入れ替わってしまうと、そのたびに入居者募集のための広告費用や、クロスの張り替え等の修繕費用が生じる上、空室の間はその部屋からの賃料収入もなくなります。
入居者様が入れ替わるたびにコストや収入減が発生するため、一度入った入居者様には極力長く入居してもらった方が良いのです。
入居者様に長く住んでもらうためには、清掃によって建物が綺麗に保たれていることが重要となってきます。
この章では、賃貸物件のどのような部分を重点的に清掃すべきかについて解説します。
エントランスの清掃
エントランスは建物の顔であり、エントランスの美観を維持することが入居者様の獲得や維持に効果を与えます。
例えば、以下のような状態になっている場合には入居希望者様や既存の入居者様に対して悪いイメージを抱かせている可能性があります。
- ・床に汚れが染みついている
- ・隅にホコリが溜まっている
- ・ゴミが散らかっている
- ・枯葉が舞い込んでいる
- ・段ボール等の私物が置いてある
- ・自転車や子どもの三輪車が放置されている
- ・照明が暗い
エントランスが上記のような状況になっていれば、すぐに改善すべきです。
集合郵便受けの清掃
エントランスにある集合郵便受けも多くの入居者様が目にする部分のため、美観を保つことが望ましいです。
例えば、空室住戸の郵便受け口にチラシを投函されないようにガムテープを貼るといった対応は美観を損ないます。
また、床にチラシが散乱している物件も、印象が悪くなります。
そのため、空室住戸の郵便受けは透明なビニールテープを貼って投函を防止し、不要なチラシも捨てられるように専用のごみ箱を設置しておくことも対策となります。
ゴミ置場の清掃
ゴミ置場も多くの入居者様が目にする部分であり、物件の印象を左右するポイントです。
ゴミ置場はただでさえ生ゴミ等の悪臭が発生しやすいため、これに加えて美観まで損なわれているとさらに印象が悪くなります。
床にはゴミを散乱させず、清掃用具はきちんと整理してロッカー等の見えない部分に片付けておくことが必要です。
駐輪場の清掃
駐輪場も、多くの入居者様が利用する部分であり、整理整頓が必要な箇所となります。
まず、放置されている自転車が残っている場合には、適切に撤去するべきでしょう。
ラックを設けている場合は、入居者様には自転車をきちんとラックにしまうように通知し、マナーが悪い利用者がいる場合には、掲示板等で適切な利用を促す案内をするなどの対応も必要になります。
植栽の管理

植栽の美観を保つことも、入居者様の獲得や入居期間長期化に効果を発揮するポイントとなります。植栽の維持はそれほど大きな金額はかからないため、費用対効果は高いです。
アプローチやエントランス、外構に空間がある場合、プランターを置くことで植栽の演出をする方法もあります。
緑や花に囲まれた建物は、ゆとりと安らぎを感じさせ、建物のグレード感を効果的に引き上げることができます。
季節ごとに咲く花を植栽することも、入居者様の入居期間長期化に役立つ活動です。
建物点検の種類

建物の点検には、大きく分けて法定点検と日常点検の2種類があります。
法定点検
法定点検とは、エレベーターや消防設備等の法令で義務付けられた点検のことです。
法定点検は、専門の資格を持った技術者が定期的な検査を行います。
法定点検の結果は賃貸オーナー様に報告され、異常があった場合には修繕を行うことが必要です。
日常点検
日常点検とは法定点検以外の賃貸オーナー様や管理会社が自主的に行う点検のことを指します。
点検部分も特に特定されているわけではなく、建物以外の外構や植栽等も点検範囲です。
日常的に行う清掃も、広い意味で日常点検のひとつと言えます。
日常点検は主に目視によって行われる点検で、例えば外壁や床・コンクリートのひび割れ、天井のシミ、水道の加圧ポンプの異常音、照明の不点灯等の早期発見をすることができます。
日常点検によって不具合が深刻化する前に発見できれば、修繕費も安く抑えることができます。
建物の価値を維持するという点においては、法定点検よりも日常点検の方が重要です。
管理を委託している場合には、日常点検も管理会社にしっかりと行ってもらう必要があります。
建物の修繕
建物の修繕は、大きく分けて事後保全と予防保全の2種類があります。
この章では建物の修繕について解説します。
事後保全
事後保全とは建物に事故や不具合が生じてから行う修繕のことです。
賃貸建物の修繕義務は基本的に賃貸オーナー様にありますので、事故や不具合が生じたら賃貸オーナー様は修繕をする必要があります。
予防保全
予防保全とは、点検などにより前兆を捉え、故障する前に適切な処置を施す修繕のことです。
予防保全は一見すると不経済のように見えますが、予防保全を行うことで不具合が発生するリスクを下げ、深刻な故障を抑制する効果があります。
賃貸建物の建物管理は、適切な土地活用コンサルティングの東建コーポレーションにご相談ください
以上、アパートの建物管理について解説してきました。
建物管理は、入居者様の獲得だけでなく、入居者様の入居期間長期化にも影響を与える内容です。
竣工後は、日常清掃や点検、予防保全等を行いながら、建物の価値を維持していくことが必要となります。
東建コーポレーションでは、賃貸経営を長期安定経営に導くために、仲介管理部を擁し、入居仲介、建物管理、賃貸管理の3つの業務を通じて、全国のオーナー様をサポートしています。
そのノウハウの蓄積により、お客様のご要望に応じた適切な建物管理をご提供します。
賃貸建物の建物管理をお考えの際は、東建コーポレーションにご相談ください。